大分弁の「いんげえ/うんにゃあ」は、いいえ/違うよという意味で使われる言葉です。
相手の質問や思い込みを否定する時に使う表現で、「うんにゃあ、ちごうで!」のように返します。
ただし、プロジェクト内のコメントを見ると、「うんにゃあ」は使うけれど「いんげえ」は初めて聞いたという人もおり、地域による差がありそうです。
この記事では、
- 大分弁「いんげえ/うんにゃあ」の意味
- 生活感のある使い方・例文
- 標準語との違い
- 地域差
をまとめて紹介します。
大分弁「いんげえ/うんにゃあ」とは?

大分弁の「いんげえ/うんにゃあ」は、
「いいえ」
「違うよ」
「いや」
という意味で使われます。
たとえば、
「これ持っち来たん、お前かぁ?」
「うんにゃあ、ちごうで!」
=「これを持ってきたの、お前か?」
「いや、違うよ!」
というような会話です。
標準語の少しかたい「いいえ」というより、日常会話の、
「いや」
「ううん」
「違うよ」
に近い感覚で使われることがあります。
「いんげえ/うんにゃあ」の意味【大分弁 → 標準語】

いんげえ/うんにゃあ=いいえ/違うよ/いや
ニュアンスのポイント
- 相手の質問に「違う」と返す
- 否定の返事として使う
- 「うんにゃ」「うんにゃあ」のように伸びることがある
- 地域によって「いんげえ」「いんげっ」など音に違いがある
- どちらも県内一律に使われるわけではなさそう
「お前がしたん?」
「うんにゃあ、うちやねえで。」
=あなたがしたの?
=いや、私じゃないよ。
生活感のある例文【意味が分かる形】

「これ持っち来たん、お前かぁ?」
「うんにゃあ、ちごうで!」
=「これを持ってきたの、お前か?」
=「いや、違うよ!」
「もう飯食べたん?」
「うんにゃ、まだで。」
=「もうご飯食べたの?」
=「いや、まだだよ」
「これ、あんたん荷物?」
「いんげえ、うちんじゃねえ。」
=「これ、あなたの荷物?」
「いいや、私のじゃない。」
シチュエーション別
- 自分じゃないと否定する時
「これ、あんたが置いたん?」
「うんにゃ、うちやねえで。」
=これ、あなたが置いたの?
=いや、私じゃないよ
- 聞かれたことを否定する時
「もう帰るん?」
「うんにゃあ、まだおるで。」
=もう帰るの?
=いや、まだいるよ
- 「違う」とはっきり伝える時
「違う」と短く返す時
「これで合っちょる?」
「いんげえ、そっちじゃねえ。」
=「これで合っている?」
「いや、そっちじゃない。」
「うんにゃあ」は、会話の最初にぽんと置くだけで否定の返事になる使いやすい言葉です。
標準語との違い
- 標準語:いいえ/いや/違うよ
- 大分弁:いんげえ/うんにゃあ
標準語の「いいえ」は、少しかしこまった場面でも使える言葉です。
一方、「いんげえ/うんにゃあ」は、家族や知り合いとの普段の会話に出てくる、くだけた否定表現として考えると分かりやすいです。
たとえば、
「あなたがしたの?」
「いいえ、違います」
よりも、
「お前がしたん?」
「うんにゃあ、ちごうで!」
の方が、ずっと日常の会話に近い感じになります。
また、「うんにゃあ」は標準語の「ううん」に近く感じる人もいるでしょう。
ただし、「いんげえ」と「うんにゃあ」がまったく同じ地域・世代で同じ頻度で使われるとは限りません。
かぼみ目線の一言コラム
「うんにゃあ」って、文字にするとしんけん方言っぽいんやけど、使う人には普通の「いや」なんやろうなぁ。
「これあんたん?」
「うんにゃあ」
これだけで会話が成立するんよね。
今回おもしろかったんが、「うんにゃは使う」という人がおる一方で、
「いんげえ? 初耳」
という反応もあったこと。
同じ「違うよ」でも、県内で自然に出てくる一言が違うんやなぁ。こういう短い返事こそ、地域差がそのまま出ておもしろいっちゃ。

地域差

大分弁の「いんげえ/うんにゃあ」は、「いいえ/違うよ」と相手の言葉を否定する時に使う言葉っちゃ。
SNSのコメントを見ると、現在も比較的聞かれるのは「うんにゃ」系。
「これ持ってきたんはお前か?」
「うんにゃぁ、ちごうで!」
のように、ごく普通の否定として使われるみたい。
一方、「いんげえ」は「初めて聞いた」という人も多く、佐伯市では曾祖母が「いんげーなー」、大分市では祖母が強く否定する時に「いんげのこと!」と言いよったという記憶が出てきた。今ではかなり世代色の強い形なのかもしれんね。
地域ごとの形も面白く、国東では「うんげっ/いんげっ」、ほかにも
「いんにゃ」
「いんや」
「うんげー」
「いんがー/うんがー」
など、似た言葉がいろいろ。臼杵では「いんにゃ」を聞いたという声があり、日田では「いんげえ」は使わず、「うんにゃ」が中心という人もおった。
つまり「いんげえ=この地域」と一つに決めるより、県内各地に「いんげ・いんにゃ・うんにゃ・うんげ」系が点々と残り、その形や強さが家庭・世代によって違う、と見るのがよさそう。
豆知識として、こうした言葉は文章ではあまり残らん“会話の相づち”。「違います」と説明する前に、反射的に「うんにゃ!」と出るところに、昔の話し言葉が残りやすいんやろうね😊
関連大分弁
- ちごう(違う)
- なにえ?(なんだって?/何ですって?)
- なんち?(何って?/何と?)
まとめ
- 「いんげえ/うんにゃあ」=いいえ/違うよ
- 相手の質問や思い込みを否定する時に使う
- 「うんにゃあ、ちごうで!」のように使う
- 「うんにゃ/うんにゃあ」は現在も使うというコメントがある
- 一方、「いんげえ」は初耳という人もいる
- 国東の山間部では「うんげっ/いんげっ」という形が聞かれる
- 「あんげっ/こんげっ」は「ああして/こうして」など別の意味なので区別が必要
- 大分県内でも「いいえ/違うよ」の言い方には地域差がありそう
かぼみの大分弁講座では、
「いんげえ/うんにゃあ」のように、たった一言の返事にも県内の違いが見える大分弁を、これからも実際の声と一緒に一つずつ丁寧に残していきます。
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