大分弁の「まどろしい」は、もどかしい/てぬるいという意味で使われる言葉です。
なかなか物事が進まなかったり、見ていてじれったかったりする時に、
「あー、まどろしい!」
と出てくるような言葉です。
「てぬるい」という意味も方言資料に見られますが、実際の感覚としては、**「もどかしい」「じれったい」**と考えると分かりやすそうです。
この記事では、
- 大分弁「まどろしい」の意味
- 生活感のある使い方・例文
- 標準語との違い
- 地域差
をまとめて紹介します。
大分弁「まどろしい」とは?

大分弁の「まどろしい」は、
もどかしい/てぬるい
という意味です。
何かをしている人を見ていて、
「もうちょっと早うできんかな」
「なかなか進まんなぁ」
と感じるような時に使われます。
「あー、まどろしい!」
なら、
「あー、もどかしい!」
「あー、じれったい!」
という感じです。
「てぬるい」という訳もありますが、「やり方が甘い」というよりは、手間取っていたり、動きが鈍かったりして、見ている側がじれったく感じる状態を表すと考えると分かりやすい言葉です。
「まどろしい」の意味【大分弁 → 標準語】

まどろしい=もどかしい/てぬるい
ニュアンスのポイント
- なかなか物事が進まない
- 手間取っていてじれったい
- 見ている側が「早うして」と感じる
- 「もどかしい」「じれったい」に近い
- 資料では「てぬるい」という意味も記録されている
「あー、まどろしい!」
=あー、もどかしい!/じれったい!
生活感のある例文【意味が分かる形】

「あー、まどろしい!」
=あー、もどかしい!
「なかなか進まんなぁ。まどろしいわ。」
=なかなか進まないね。じれったいよ
「見よったら、まどろしゅうなるなぁ。」
=見ていたら、もどかしくなるね
シチュエーション別
- なかなか作業が進まない時
「あー、まどろしい! なかなか進まんなぁ。」
=あー、じれったい! なかなか進まないね
- 誰かの作業を見ていて
「見よったら、まどろしいなぁ。」
=見ていたら、もどかしいね
- 自分でもうまくできない時
「うまいこといかんで、まどろしいわ。」
=うまくいかなくて、もどかしいよ
「まどろしい」は、単に「遅い」というより、思うように進まないことに対するじれったさが入る言葉です。
標準語との違い
- 標準語:もどかしい/じれったい/てぬるい
- 大分弁:まどろしい
「もどかしい」と「まどろしい」は音も少し似ています。
意味も、
「思うようにいかなくてじれったい」
というところが近く、
「なかなか進まんで、もどかしい」
が、
「なかなか進まんで、まどろしい」
となるイメージです。
一方、資料では「てぬるい」という意味もあります。
ただし「てぬるい」には標準語で、
「やり方が甘い」
「厳しさが足りない」
という意味もあるため、「まどろしい」を説明する時には、「もどかしい/じれったい」を中心に置いた方が感覚が伝わりやすいと思います。
*「まどろっこしい」とは同じ?
SNSコメントでは、
「まどろっこしいなぁ、もう少しチャチャっとしきらんのかえ」
という言い方も寄せられています。
意味の方向としてはかなり近く、「じれったい」「手間がかかる」といった感覚があります。
ただし、「まどろしい」と「まどろっこしい」を同じ大分弁として一括りにはしません。
「まどろっこしい」は共通語としても使われる言葉なので、「まどろしい」とは分けて考えた方がよさそうです。
かぼみ目線の一言コラム
「まどろしい」って、
「あー、まどろしい!」の一言がいちばん分かりやすい気がするんよなぁ。
何かしよるんやけど、なかなか進まん。
あとちょっとなのに、うまいこといかん。
見よるこっちまで、
「もう〜!」
っちなる。
その感じが「まどろしい」。コメントを見ると、「初めて聞いた」という人もおれば、「聞いたことはあるけど自分ではあまり使わん」という人もおったんよね。
知っちょるかどうかだけじゃなく、知っちょるけど使わん言葉になりつつある地域もあるんかもしれんね。

地域差

大分弁の「まどろしい」は、「もどかしい/てぬるい/じれったい」という意味で使われる言葉。
「あー、まどろしい!」
「そげなやり方じゃ、まどろしいわ」
みたいに、物事がなかなか進まなかったり、手間取る様子を見てイライラする時に出る言葉なんよね。
大分の方言資料にも、
「釣り針を結ぶンでンまどろしゅうてたまらん」
という用例があり、「目が悪くなって釣り針を結ぶのも、もどかしくてたまらない」という意味で紹介されちょる。
ただ、今回のコメントを見ると、
「聞いたことはあるけど使わない」
「初めて聞いた」
という反応があり、「まどろっこしいなら使う」という声もあった。
今のところ地域名の分かるコメントが少ないけん、「県北では〜、県南では〜」と分けられるほどの材料はまだなさそう。むしろ、昔は「まどろしい」を聞いたけど、今は共通語の「まどろっこしい」に置き換わってきた、という世代差がありそうやね。
豆知識として面白いのが、「まどろしい」は大分だけで生まれた言葉ではないこと。
実は古い日本語にも「まどろしい」があり、
「手間がかかって遅い」
「反応が鈍くてじれったい」
という意味で、江戸時代の文献にも用例が残っちょるんよ。
つまり「まどろしい」は、昔の日本語が大分の方言の中に残った言葉の一つと考えると面白い。
今では「まどろっこしい」の方が普通になったけど、
「あー、まどろしい!」
この短さの方が、イライラしちょる時には妙にしっくりくる気もするなぁ😂
「まどろしい」も、資料には残っているけれど、現在の使用には地域差・世代差がありそうな言葉として見ていくのがよさそうです。
関連大分弁
まとめ
- 「まどろしい」=もどかしい/てぬるい
- 「じれったい」という感覚に近い
- 「あー、まどろしい!」のように使う
- なかなか進まない時や、見ていてじれったい時に出る言葉
- 「てぬるい」という意味も資料に記録されている
- 現在は「初めて聞いた」という人もいる
- 「聞いたことはあるけど使わない」という声もある
- 「ぐじぃ」など別の言葉を使う人もいる
- 「まどろっこしい」という近い表現もあるが、「まどろしい」と同じ言葉とは扱わない
- 地域・世代による使用差は、今後さらに実際の声を集めたい
かぼみの大分弁講座では、
「まどろしい」のように、資料には残っちょるけど今どれくらい使われよるんか気になる大分弁も、これからも実際の声と一緒に一つずつ丁寧に残していきます。
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