大分弁の「ずる」は、ずらす/座ったまま少し動くという意味で使われる言葉です。
特に、長椅子や座敷などで「もう一人座れるように、ちょっと横に動いて」という場面にぴったりの表現です。
この記事では、
- 大分弁「ずる」の意味
- 生活感のある使い方・例文
- 標準語との違い
- 地域差
をまとめて紹介します。
大分弁「ずる」とは?

大分弁の「ずる」は、
「ずらす」
「座ったまま少し動く」
「横へ位置をずらす」
という意味で使われます。
たとえば、あと一人座りたい時に、
「もう一人座るけん、そっちにずってくれん?」
=もう一人座るから、そっちに少しずれてくれない?
のように使います。
立って場所を移動するというより、座った状態のまま、お尻を少し動かして場所をあける感じがよく合う言葉です。
「ずる」の意味【大分弁 → 標準語】
ずる=ずらす/座ったまま動く
ニュアンスのポイント
- 座ったまま横へ少し動く
- 場所をあけるために位置をずらす
- 大きく移動するというより、少しだけ動く感じ
- 「ずって」「ずっちくれ」などの形で会話に出てくる
- 「ずるい」という意味の「ずる」とは別の言葉
「もう一人座るけん、そっちにずってくれん?」
=もう一人座るから、そっちに少しずれてくれない?
生活感のある例文【意味が分かる形】
「もうちょっとそっちにずって〜。」
=もう少しそっちにずれて
「もう一人座るけん、そっちにずってくれん?」
=もう一人座るから、そっちに少しずれてくれない?
「そこ、ずっちくれん?」
=そこ、横に少し動いてくれない?
シチュエーション別
- 長椅子で場所をあける時
「もう一人座るけん、ちょっとずって。」
=もう一人座るから、ちょっとずれて
- 座敷で詰めてもらう時
「ちょっとずっちょくれ、もう一人座るけん。」
=ちょっとずれてくれ、もう一人座るから
- 隣の人に頼む時
「そこずっちくれん?」
=そこ、少し横に動いてくれない?
「ずる」は、「移動する」というほど大げさではない、“ちょっとだけ場所をあける”動きを表すのに便利な言葉です。
標準語との違い
- 標準語:ずれる/ずらす/少し横に動く
- 大分弁:ずる
標準語なら、
「もう少しそっちにずれて」
と言うところを、
「もうちょっとそっちにずって」
のように言います。
特におもしろいのが、単に物を「ずらす」という意味だけでなく、人が座ったまま位置を動かす動作そのものにも使えることです。
「立って移動して」
ではなく、
「お尻をちょっと横にずらして」
というくらいの動きが「ずる」にはよく似合います。
なお、
「ずる」=ずらす
と、
「ずるい」=不公平・ずる賢い
は別の意味です。
大分弁には「こしきい」「ずりきい」など、「ずるい」を表す別の言葉もあるので、混同しないようにすると分かりやすいです。
かぼみ目線の一言コラム
「ずる」って、説明すると地味なんやけど、使う場面を考えるとしんけん生活感があるんよね。
長椅子にぎゅうぎゅう座っちょって、
「もう一人来たけん、ちょっとずって〜」
みたいな。
わざわざ立つほどでもない。
でも、あと10センチくらい動いてほしい。そんな時の「ずって」が、ちょうどええんよ。
方言って、こういう細かい動きを一言で言えるところがおもしろいなぁと思うっちゃ。

地域差

大分弁の「ずる」は、「少しずれる/座ったまま体を動かして場所をあける」という時に使う言葉っちゃ。
「ちぃっとそっちにずって」
「ちょっとずっちょくれん?」
「もうずっちょんよ〜」
みたいに、座布団や椅子に座ったまま、少し横へ動いてもらう場面で自然に出るんよね。
SNSのコメントでは、山香で「ちっとずりぃっちゃ」と言いよったという声や、佐伯でも「ずる」を使っていたという話があり、県内ではかなり広い範囲で知られちょる印象。「今も使う」「若い人にも通じる」「日常語」という声も多く、昔だけの言葉という感じでもなさそう。
形も豊富で、
「ずって」
「ずっち」
「ずっちょくれ」
「ずっちょん」
など、大分弁の「〜ちょる/〜ちょん」と組み合わさることもある。
そして関連して多く出たのが「一寸ずり」。渋滞などで、少し進んでは止まり、また少し進むような動きを「一寸ずり」と言う人も多いみたい。まさに“ちょっとずつ動く”感覚やね。
豆知識として、「ずらす」は標準語なので、「ずる」とは分けて考えた方がよさそう。「ずるい」の「ずる」とも別物やけん、県外で「ちっとずって」と頼んだら「ずるいことはできない!」と勘違いされた、という笑える実話も🤣
さらに宮崎でも使うという声があり、大分だけに限らない九州系の言い方の可能性もありそう。派手な方言ではないけど、家の中で今も自然に生きちょる言葉やね😊
関連大分弁
まとめ
- 「ずる」=ずらす/座ったまま少し動く
- 特に、座ったまま横へ動いて場所をあける時に使いやすい
- 「もうちょっとそっちにずって」のように使う
- 「そこずっちくれん?」という言い方もある
- 大きく移動するより、少しだけ位置を動かすニュアンスが強い
- 「ずるい」という意味の「ずる」とは別の言葉
- 県内の細かな使用地域については、まだ十分に整理できていない
- 今後、地域ごとの「ずって」「ずっちくれ」などの使い方も集めたい言葉
かぼみの大分弁講座では、
「ずる」のように、座ったままちょっと横へ動くような細かな動作まで表せる大分弁も、これからも一つずつ丁寧に残していきます。
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